Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分、良い陽気じゃありませんか。植木の世話も結構だが、たまには出かけてみちゃどうです」
ガラッ八の八五郎は、懐ろ手を襟から抜いて、虫歯が痛い――て恰好に頬を押えながら、裏木戸を膝で開けてノッソリと入って来ました。
「朝湯の帰りかえ、八」
平次は盆栽の世話を焼きながら、気のない顔を挙げます。
「へッ、御鑑定通り。手拭が濡れているんだから、こいつは銭形の親分でなくたって、朝湯と判りますよ」
「馬鹿だなア、手拭は俺から見えないよ、腰へブラ下げているんだろう、――番太や権助じゃあるめえし、良い若え者が、手拭を腰へブラ下げて歩くのだけは止しなよ。見っともねえ」
「こいつは濡れているから肩に掛けられませんよ、――いつか手に持って歩くと、不動様の縄じゃあるめえ、そんな不粋な恰好は止すがいい――って、親分に小言を言われたでしょう」
「よく覚えていやがる」
「躾の良い児は違ったもので――」
「手拭をよく絞らないからだよ、海鼠のようにして歩くから扱いにくいんだ。第一その鬢がグショ濡れじゃないか、水入りの助六が迷子になったようで、意気すぎて付合いきれないぜ」
「あ、これですかえ。