Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
七
十九かせいぜい二十歳でしょうが、勝気らしい下町娘も、たった一人の兄が、人殺しの下手人で縛られてはひとたまりもありません。
「お前がなまじっか隠し立てしたのが悪かったんだ。潔白なものなら何も細工などをすることはない、――勝はやはりゆうべ山谷へ行ったんだろう」
「え」
お粂はようやくうなずきました。
「帰って来たのはいつだ」
「雪が降りだしてから――亥刻少し過ぎでした」
「亥刻半前に帰ったことが判れば、勝は下手人じゃない。証拠があるか」
「私が――」
「お前では証人にならない。誰か知ってる者はないのか」
「さア」
お粂はハタと困った様子です。
それからいろいろと訊ねてみましたが、勝太郎を救うような手掛りは一つもありません。この上は、三輪の万七が挑戦したように、勝太郎以外の下手人を縛って突き出す外はなかったのです。
七
「親分、今帰りましたよ。あ、腹が減った」
ノソリと帰って来た八五郎は、火鉢の側へ膝行り寄ると、もうこんなことを言うのです。
「色気のない野郎だな、頼んだ仕事の方はどうだ」
「上々吉ですよ、その代り腹が減ったの減らねえの――」
「何がその代りだ」
「助けると思ってまず五六杯詰め込まして下さい。