Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
五
「いえ、お嬢さんは人を怨むような方じゃございません。それに利八郎さんは天にも地にも一人者で、身寄りも何にもなかったはずです」
「もう一つ訊くが、曙井戸の茶碗が出て来たら、今でも金森様から二万両の金は返して貰えるのだな」
「それはもう、親分」
幸吉はけげんな顔を挙げました。
五
次に下女のお山とお道、――長四畳にかしこまっている二人のところへ、平次とガラッ八は入って行きました。
「お道、お前の荷物を見せて貰うよ」
「ヘエッ」
お道は仰天した様子です。二十四にしてはひどく老けておりますが、足が少し悪いという外には、何の非の打ちどころもない女で、容貌も満更でなく、働きも充分、家中の褒めものになっているお道でした。
「これか」
八五郎が押入をあけてズルズルと葛籠を引出すと、
「あ、それは私のだよ」
お山は飛び付くように引ったくります。
「それじゃこれか」
竹行李を引出して、ポンと蓋を払うと、中には思いの外の贅沢な着物。下女や端女の持物らしくないのが、幾枚も出て来るのです。
「これはみんなお前のか」
「お道さんは着物持ちだよ」
お山は横から口を出して、ガラッ八にグイと睨まれました。