Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
八
お静、食物を少し用意してくれ、軽いものがいい。七日もろくに食わずにいる人間に精のつく物がほしいんだ。さア、八、一緒に行くか」
「行かなくてどうするもんで親分」
八五郎は中腰になって、徳利からラッパ呑みをやっております。
「私も参りましょう、何かのお役に立つかも判りません」
爺やの友吉までが武者顫いをして起ち上がりました。
八
その晩庄司家の奥座敷に集まったのは、主人の庄司右京を始め、用人堀周吉、甥の助十郎、石崎平馬、その娘のお礼を始め近い親類からずっと七八人。燭台を人数ほど並べて、秋の夜の薄冷えを火桶に凌ぎながら、相談は次第に纏まりかけておりました。
主人の庄司右京はなにぶん軽い中風とは言っても口も不自由なので、用人の堀周吉が代って弁じます。
「若様――林太郎様には、一と月ほど前に召使の組と逐電いたし、今以て所在が判らず、御主人様ことのほか御立腹でございます。私ども家来一統、いろいろとおなだめ申上げましたが、なんとしても御聴き入れがなく、このこと万一公儀御耳に入らば、庄司の家の瑕瑾とも相成ること、一日も早く林太郎様を勘当し、甥御様の助十郎様を御家督に直し、御主人様には御隠居の上、ゆるゆると御養生遊ばしたいと強っての御望みでございます」