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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

ところで、そいつは、伊太郎か照吉か」

「あッ、親分も訊いて歩いたんで?」

「歩きはしないが、見当だけは付いているのさ」

「そんなによく解っているなら、あっしが汗を掻くまでもないでしょう」

「まア怨むな。足で取った証拠でなきゃ、真実の証拠にならない」

平次は八五郎を撫めながら、次第に川岸っぷちを遡上って行きます。

「何を捜すんだ、兄哥」

と喜八。

「あれだよ」

「こいつは、清水屋敷の舟だが?」

平次の指さしたのはこの辺の川を渡すのに使う舟で、何の変哲もなく、岸の杭に繋いであるのでした。

「この舟で渡って、川向うの土手で狐の嫁入をやったのさ」

「この小さい舟に九人も乗ったかい」

喜八はまだ狐の嫁入行列を九人以下ではないと信じている様子です。

「いや、たった三人さ。その舟の中に三間以上の棹が三本もあるのは不思議だと思わないか」

「?」

「川舟の棹は大抵二本に決ったものさ。一本では流したとき困るが、三本は多すぎるよ」

「その棹一本に提灯を六つずつブラ下げられるだろう。――最初の晩は一人でやったから提灯が六つさ。二度目は二人でやって、三度目は三人でやった。三人の人間が銘々提灯を六つずつブラ下げた棹を持って川向うの土手を歩いたから、こっちから見る人間は驚いたわけだ。