Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

甲子太郎は頑固に首を振りました。ひどくお茂与に反感を抱いている様子です。

「外に身寄りの者は?」

「何にもありませんよ。父一人子一人で、あとは奉公人ばかり。親類といったところで三代も四代も前の親類で、少し暮し向きが悪くなれば寄りつかなくなる人達です。親父の首の細引を扱帯に変えても、世の中が無事な方がいいんでしょう」

甲子太郎の憤激は、当てもなく爆発し続けるのです。

この上甲子太郎の顎を取ったところで、大した収穫がありそうもないと見ると、平次は番頭の吉兵衛を呼んで、家中を案内させました。

吉兵衛は五十男で、世の中を世辞笑いと妥協で暮して来た男、こんな人間が案外強かな魂の持主かもわかりません。

手代は二人、庄八と金次といって、どっちも三十前後、貸金の取立てには負けず劣らずの腕前を持っていそうな、逞しい感じの人間ですが、相当以上の給金を貰っている外に、主人の善五郎と関係がありそうもなく、主人が死ねば、明日から収入の途を失って、ひどく損をしなければならない二人です。

庄八は色白のちょいと良い男、金次は四角の顎と大きな眼を持った男、この人相の怖い金次が案外好人物で、色白の庄八の方が太い魂の持主らしいことは、二た言三言交すうちに平次は見抜きました。