Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「その晩一合召上がってお休みになると、それきり翌る朝はお姿がございません。多分お酒に毒でも入っていたことでございましょう。足腰の立たぬようにして、夜中に運び出されたに違いないと、私は一人で呑込んでおります」
「どうして、そう呑込んだのだ」
「その晩、裏門へ駕籠が一挺着きました。町内の本道(内科医)、北村道作様の駕籠でございます。駕籠は何か積んで行ったようでしたが、まもなく道作様は歩いて帰りました」
友吉の言うことは、なかなか含蓄があります。
「よしよし、それでよく解った。真夜中に江戸の町を平気で飛ばせるのは医者の駕籠くらいのものだ、――それだけ聴けば見当はつく。ところで爺さん、これからどこへ帰るんだ――」
「弓町の屋敷へ戻りますが――」
「気を付けるがいいぜ」
「ヘエ――、では親分、若様をお願い申します」
友吉は平次に別れて淋しい道を辿りました。ほんの二三十間も行った頃、
「えーッ」
横合から飛出しざま、真っ二つになれと斬りかけた者がありますが、その太刀先はわずかに外れました。
襲撃の寸前、間髪を容れず、鐚銭が一枚飛んで来て、曲者の鬢のあたりを強かに打ったのです。