Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
と不気味な言葉を残して引揚げました。
「親分、帰ろうじゃありませんか。天罰なんか縛れやしませんよ」
ガラッ八は大きな欠伸をしながら言います。
「腹が減ったんだろう。――ここじゃろくな水も呑めやしねエ。谷中へ行って何か詰めて来るがいい」
平次は焼け残る壇の上から動こうともしません。
「親分は?」
「腹なんか減らないよ、――俺はもう少しここに頑張って、その天罰野郎の面を見て行きてえ」
「それじゃ、親分?」
「大きな声を出すな、その辺にはまだ多勢いるんだ」
「あっしも手伝いますよ、親分。そう聴くと、腹が一杯になるから不思議で――」
「そう言わず行って来るがいい。帰りには鳶頭の家へ寄って、道具を借りて来るんだ。梃と槌と鋤だ」
「何をやらかすんで、親分?」
「この下に天罰が居そうなんだよ」
平次は暗がりの中で床板を指しながら、ガラッ八に囁くのでした。
八五郎はいろいろの道具を借りて、すぐ引返して来ました。こうなるともう、腹の減った事などを考えてはいられなかったのです。
「親分、何をやらかしゃいいんで?」
ガラッ八は七つ道具をドタリとおろしました。
「床板を剥ぐんだ。樫の木で、やけに丈夫だから、道具がなくちゃどうにもならない」