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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

ん。

東海坊という修験者は、経文一つ読めないような、無学鈍根の男ですが、生得不思議な精神力の持主で、――今日の言葉で言えば、自己催眠という類のものでしょう。憑依状態になって熱祷をこめると、気の弱い信者達の病気は、不思議にケロリと癒るのでした。

この種の邪教的な気根の持主らしく、東海坊も女犯にかけては、大概の醒臭坊主に引けを取らず、妾二人を蓄えてる外、講中の誰彼に手を出して、絶えず問題を作りますが、そんな不始末は不思議なことに狂信者達を驚かさなかったのです。

「親分、三河島の親分は、とうとう挙げて行きましたよ」

ガラッ八の八五郎は、息を切って飛込みました。事件があってから七日目の朝です。

「誰だ、文七か、利八か」

平次も少し気色ばみます。

「一番弟子の定吉ですよ。――近頃あの野郎にも人気が出たから、師匠の東海坊が死ねば、そっくり跡を継いでうまい汁が吸えると思ったんでしょう」

「そいつは三河島の兄哥の見当違いだ。定吉は東海坊の介添えで、壇の正面をちょっとも離れなかった」

「でも、枯柴へ油をかけて火をつけた時は、皆んなそれに気を取られて、定吉が居なくなっても、ほんのしばらくなら気はつきませんよ」