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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

一

一

「親分、近頃は胸のすくような捕物はありませんね」

ガラッ八の八五郎は先刻から鼻を掘ったり欠伸をしたり、煙草を吸ったり全く自分の身体を持て余した姿でした。

「捕物なんかない方がいいよ。近ごろ俺は十手捕縄を返上して、手内職でも始めようかと思っているんだ」

平次は妙に懐疑的でした。江戸一番の捕物の名人と言われているくせに、時々「人を縛らなければならぬ渡世」に愛想の尽きるほど、弱気で厭世的になる平次だったのです。

「大層気が弱いんですね。あっしはまた、親分の手から投げ銭が五六十も飛ぶような、胸のすく捕物がないと、こう世の中がつまらなくなるんで――」

「お前は裟婆っ気があるからだよ。俺は御用聞という稼業が、時々いやでいやでたまらなくなるんだ」

「そんなことを言ったって、御用聞がなかった日にゃ、世の中は悪い奴がのさ張って始末が悪くなりゃしませんか。医者がなきゃ病気が蔓こるように――」

「医者と御用聞と一緒にする奴があるかい。医者は病気を癒せばいいが、御用聞は悪い者ばかり縛るとは限らない」

平次の懐疑は果てしもありません。

「江戸中に悪者がなくなったとき、十手捕縄を返上しようじゃありませんか。