Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
それまでは手一杯働くんですね、親分」
「石川五右衛門の歌じゃないが、盗人と悪者の種は尽きないよ、――もっとも世の中に病人が一人もなくなって、医者の暮しが立たなくなりゃ別だが」
平次は淋しく笑うのです。
「それまでせっせと縛ることにしましょうよ。そのうちに、銭形平次御宿と書いて門口へ貼れば、泥棒強請が避けて通る――てなことになりますぜ」
「鎮西八郎為朝じゃあるめえし」
無駄な話は際限もありません。ちょうどその時でした。
「八五郎さん、叔母さんよ」
平次の女房お静が、濡れた手を拭き拭き、お勝手から顔を出しました。
「ヘエー、叔母さんがここへ来るなんか、変な風の吹き廻しだね。意見でもしそうな顔ですか」
「そんなことわかりませんよ。――お連れがあるようで」
とお静。
「それで安心した。まさか小言をいうのに、助太刀までつれて来るはずはない」
「古い借金取りかも知れないぜ、八。思い出してごらん、叔母さんへ尻を持って行きそうなのはなかったかい」
平次は少し面白くなった様子です。
「脅かしちゃいけませんよ親分。古傷だらけで、そうでなくてさえビクビクものなんだから」
「ハッハッハッ、八にも叔母さんという苦手があるんだから面白い――こっちへ通すがいい。