Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
お連れも一緒なら、お勝手からじゃ気の毒だ、ズッと大玄関へ廻って貰うんだ。八は敷台へお出迎えさ、何? もうお勝手から入った? それじゃ勘弁して貰って、――」
平次はさすがに、いずまいを直して襟をかき合せました。生温かい小春日和、午後の陽は縁側に這って、ときどき生き残った虻が外れ弾のように飛んでくる陽気でした。
ガラッ八の叔母の伴れて来た客というのは、下谷車坂の呉服屋四方屋次郎右衛門のところに二十年も奉公しているお谷という六十近い婆やさんで、よっぽどの大事があったらしく、すっかり顛倒してしまって、物を言うのさえしどろもどろです。
「親分さん、大変なことになりました。お嬢さんのお秀さんが、三輪の万七親分に縛られそうなんです。あのお嬢さんが、そんな人殺しなんかするかしないか、考えても解るじゃありませんか。ね、親分さん、お願いですから、どうかお嬢さんを助けて下さい」
お谷婆さんは、何べんも何べんもお辞儀をしながら、後も前もなくこんなことを言うのです。
「さア解らない、――いったい誰が殺されて、どこのお嬢さんが縛られたんだ。少し落着いて、順序を立てて話してくれないか」