Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「なるほどね」
そう言われると、下手人は家の中の者で、外から曲者が入ったように、一番気のきかない細工をしたことになります。
「足跡や雨戸の気のきかない細工を見ると、下手人は間違いもなく家の中のものだが、娘の喉に突っ立っている匕首は、誰も見たことのない品だ」
老巧な万七も、ここまで来て行詰ったところへ、いつでも最後の勝利を持って行かれる銭形の平次が来たのでした。
「とにかく、家中の者に逢ってみようか」
「驚かないようにしてくれ、銭形の。今度は下手人がもう一人くらい殖えているかも知れないぜ」
三輪の万七がこう言ったのが、満更出鱈目でなかったことに、平次は間もなく気が付いたのです。
主人の次郎右衛門以下、少しでも疑われる地位にある者は、奥の主人の部屋に纏められて、下っ引が二人で見張っておりました。
「あ、銭形の親分さん」
平次の顔を見て、一番先に声を掛けたのは次郎右衛門でした。
「皆んな一緒にしておいちゃ下手人が幾人も出て来るわけだ。八、御主人から順々に一人ずつ連れて来てくれ」
平次は多勢の顔を一と眼見ると、その緊張と不安の底に流れる異常なものを見て取ったらしく、八五郎にこんなことを言い付けて、先刻の死骸をおいた部屋へ一人ずつ呼び出しました。