Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「…………」
平次も驚きました。死んだお皆に対する次郎右衛門の非難はあまりにも度外れです。
「あんな娘があるものじゃございません。少しばかり顔容がよかったので、男から何とか言われるのが嬉しかったのでしょう。四方屋の家風は昔から堅いので評判を取っております。あんな女は一日も黙って見ているわけに行きません」
「どうして追い出さなかったんだ」
「幾度も出て行けと申しましたが、病身の私を小馬鹿にして、この家を出て行く気などは毛頭ないばかりでなく、いつの間にやら図々しくなって、ここの身上まで窺うようになりました。放っておいたら娘のお秀をどうかして、私の亡き跡の四方屋を、ぬくぬくと取る気になったかも知れません」
次郎右衛門は本当にこんなことを心配していた様子です。自分でさえどうすることも出来なかったお皆を憎む心持が言葉の外に溢れるのでした。
「それじゃ訊くが、あの匕首はどこから出したんだ」
「…………」
次郎右衛門はハタと絶句しました。買ったことにしても、出鱈目な店の名を言ったら、平次はそれをすぐ調べるでしょう。
「どうしたんだ」
「昔から私が持っておりました。土蔵の中にしまい込んであったのです」