Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

ガラッ八は少しばかり面白そうです。

が、お谷婆さんはそれどころではありません。

「親分さん、私を縛って下さい。庭下駄を履いて、足跡をつけたのも、雨戸を開けておいたのも、この私に間違いはございません。私だって、まだ死にたいわけじゃなかったんですもの。鬼のようなお皆を殺して、処刑に上っちゃ間尺に合いません。ただもう免れるだけは免れたいと思いました。――でも、お嬢さんが縛られちゃ、黙っていられません。私を縛って下さい、三輪の親分さん」

平次が容易に取合わないと見るとお谷婆さんは、お秀を引立てて行く三輪の万七に取縋るのでした。

「匕首はどこから出したんだ」

平次は静かに訊ねました。

「お皆が持っていたんです。あの女は何をするか判りません。ゆうべ自分の行李から匕首を出して、抜いて灯に透かしてニヤリと笑ったのを私は見てしまいました。あの女はお嬢さんを殺す気だったに違いありません。唐紙の隙間から覗いている私が、声を立てなかったのが不思議なくらいです。あんな凄い顔を私は見たこともありません」

「…………」

黙って先を促す平次。

「匕首を枕の下へ入れて寝るところまで見極めると、私は矢も楯もたまりませんでした。