Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「そうとも限りませんよ。――ところで、勇次郎さんは、よっぽど学問があったようですね」
平次は外の事を訊ねました。
「父親は逍遥軒といって、詩も作り歌もよみましたが、私はその方は一向いけません。弟は父親の学問好きを承けて、これも四角な字を読んでおりました」
大店の主人らしい闊達さはありますが、弟の悧巧さを自慢にする人の良さ以外に、この荘太郎には大した取柄のないことがよく判ります。
つづいて若吉に逢い、与三に逢い、常吉の娘のお信に逢いました。これはまた恐ろしいお侠で、
「父さんはあんな事を言うけれど、私は勇次郎さんは大嫌い、歩くと唐臼を踏むようなんですもの。――でも殺されてしまっちゃ可哀想ねえ。早く下手人を挙げて下さいよ。物置から材木を引上げる時に使う五六間もある大綱を持出して絞め殺すなんて、随分ひどいじゃありませんか」
平次は何にも訊かずに逃げ出してしまいました。
最後に逢ったのは、若主人荘太郎の許嫁で、客分あつかいで祝言の待機をしているお道という娘でした。少し老けて二十二、色の浅黒い、眼鼻立ちのよく整った、華奢な身体で、物腰の上品さも物言いの聡明さも、上州屋の嫁として全く申分のない娘です。