Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
鴨居から赤い扱帯で、女草履が片っ方ブラ下がっているのは不思議じゃありませんか」
「何かの禁呪にそんなのはなかったかい」
平次の顔も少しキナ臭くなりました。
「禁呪なら草履を頭へ載っけるんですよ」
「いよいよもって解らねエ。――その家にどんな人間が住んでいるんだ」
「取揚げ婆アのお早の家ですよ」
「あの間引をするとかいう、評判のよくない?」
「亭主の六助は中条流の女医者の薬箱持をしたことがあるそうで、殺生なことを渡世にする鬼夫婦の家だから話になるじゃありませんか」
「フーム」
「近所で訊くと、二階には姪とか従妹とかいう、少し気の変な娘がいるそうですよ」
「なんだ病気か、――馬鹿にしちゃいけねえ」
平次は煙草をポンと叩いて、天井を突き抜けるような大欠伸をしました。岡っ引根性を無駄に刺戟されてとんだ緊張が馬鹿馬鹿しかった様子です。
「でも、一と月ばかり前までお屋敷奉公をしていたそうで、そりゃ綺麗な娘だという評判ですぜ、親分」
「綺麗な娘と聴くと、無性に乗り出すからイヤになるよ。面が綺麗だって、気の変なのは止してくれ、付き合いにくくて困るぜ」
「気が変にしても、天神様の境内へ見えるように、いろんな物を持ち出すのは変じゃありませんか」