Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「そうだよ」
「一人くらいは怨まない者もあるだろう」
「お隣の幸右衛門親方だけは、ひどく有難がっているよ」
「それはどういうわけだ」
「娘のお歌さんの親許身請のとき、只みたいに安くして貰ったんだってネ」
お吉の話によると、植木屋幸右衛門はもと鳥越で大きく暮していたが、悪い人間に引っ掛って謀判の罪に落されそうになり、身上を投げ出した上娘のお歌まで佐野喜に売って、ようやく遠島は免れましたが、その後お歌の歌川が病気になり、勤めもできない身体になったのを可哀想に思って、ひどい工面で親許身請をし、この寮の隣の二階屋を借りて養生をさせましたが、重い癆咳でとうとう去年の暮死んでしまったというのです。身売の時も知合いの佐野喜が思いきった金を出してくれ、病気で親許へ帰る時は、世間の相場で三百両も五百両も積まなければならない歌川を、たった五十両で帰してくれた恩を、幸右衛門は今でも身に沁みて有難がっているというのでした。
「その幸右衛門は来ているのか」
「第一番に飛んで来て、いろいろ手伝っていたが、先刻帰ったようで」
その次に平次は、下男の音松に逢ってみました。それはもう六十八という老人で、腰も曲り、歯も残らず欠け落ち、ぼんのくぼに少しばかり白髪の髷が残っている心細い姿ですが、多年の労働で鍛えた身体だけはなかなか頑丈らしく、耳さえよく聴