Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「番頭の万次郎ですか」
「いや、主人を殺すくらいな奴が、後ろ暗いことをしているはずはない。――お前に店へ呼び戻されてからあわてて銭箱へ二百両返すようじゃ、あの番頭は悪い奴だが人殺しはしなかった」
「じゃ誰です、親分」
「今に判る」
平次とガラッ八が山谷へ行った時は、寮はお通夜でゴタゴタしておりました。
「八、提灯を用意して来い」
「ヘエ――」
離屋へ行って提灯を借りて来ると平次は八五郎とたった二人で植木屋の幸右衛門の家へそっと入って行ったのです。
「何をするんで、親分」
「探す物があるんだ」
「…………」
平次はいきなり二階へ入ると、窓の張出しと手摺を見ました。が、よく拭き込んで何にもありません。隣の寮はお通夜のお経が始まったらしく閉めきった中から陰気な読経の声が漏れます。
「これだ」
平次は勝ち誇った声を挙げました。窓の下、畳の上にわずかばかり残った鋸屑を見付けたのです。
「鋸屑じゃありませんか」
「そうだよ、もう一つ捜すものがある」
階下へ降りて念入りに捜し廻ると、縁の下へ深く抛り込んだ切口の新しい一間ばかりの丸太が四本。
「占めたッ、もう大丈夫」
喜び勇む平次の眼の前に、いつどこから入って来たのか、植木屋幸右衛門が、しょんぼりと立っているではありませんか。