Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「恐れ入りました、親分さん。勝さんが縛られたと聞いて自首して出る心算でしたが、ツイ未練で遅れてしまいました。私を縛って下さい」

ヘタヘタと崩折れると、両手を後ろに廻してうな垂れるのです。

「幸右衛門、――なんだってもう少し早く名乗って出なかったんだ」

「一言もございません。命が惜しかったのです、――親分さん、――この私でなく、若い者の命が――」

「よしよし、神妙の至りだ。お上にも御慈悲がある、――ところで、なんだって、弥八を殺す気になったんだ」

「今朝申上げたのはあれは、みんな嘘でございます。私の娘のお歌は、弥八夫婦にいじめ殺されました。身体の弱い者に、無理な勤めをさせ、少しでも休むと、物も食わせないばかりか、犬畜生にも劣った折檻をされ、とうとうもう助からないという大病人になってしまいました」

「…………」

「そうなると、助からない病人の世話をして葬いを出すのが馬鹿馬鹿しくなって、私に五十両という大金を工面させて、死骸同様の娘を無理強いに親許身請をさせ、万一丈夫になった時は、二度の勤めをさせるという証文まで取って、ときどき医者をよこしました。鬼と言おうか、蛇と言おうか、あんな恐ろしい人間はありません。