Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

平次は黙ってしまいました。

「十二本目はたぶん今日――遅くも晩までには来ることでしょう。――白紙の手紙なんか何が怖いとおっしゃるかも知れませんが、文句を書いた手紙なら、こんなに心配はいたしません。強請や脅かしにしたところで、金を出せとか、命をくれとか、どんな恐ろしいことを書いてあっても、書いた人間とその望みの見当が付きます。それが白紙の手紙となると――」

幸吉はゴクリと固唾を呑むのです。

「その手紙の来る日は決っているんだね」

平次はさすがに大事なところに気が付きました。

「月の十七日、二年前、先代総兵衛様の亡くなった日でございます」

「誰が持って来るんだ」

「最初は使い屋でございました。吉原から華魁衆の手紙を束にして持って来る使い屋の男が、小僧を呼出して、旦那へそっと渡すようにと言って置いて行ったそうで――」

「なかの使い屋は、筋の良い手紙は滅多に持って歩かないから、それくらいのことはどこへ行っても言うよ。――その使い屋をつかまえて訊くと、頼んだ人が判るわけだが――」

と平次。

「ところが、こちらでそう気の付いた時は、もう使い屋は来ません。いつ、誰の仕業とも判らず、店先へ抛り込んで行きます」