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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

【第一回】

一

【第一回】

一

「親分、世の中にこの綺麗なものを見ると痛めつけたくなるというのは、一番悪い量見じゃありませんか、ね」

八五郎が入って来ると、いきなりお先煙草を五、六服、さて、感に堪えたように、こんなことを言い出すのです。

九月になってから急に涼しくなって、叔母が丹精して縫い直してくれた古袷も、薄寒く見えますが、当人は案外呑気で、膝小僧のハミ出すのも構わず、乗出し加減に一とかど哲学するのでした。

「――世の中――と来たぜ。お前のお談義も、だんだん劫を経て、近頃は少し怖くなったよ」

「でも、花を毟ったり、猫の子をいじめたり、金魚鉢を掻き回したりするのは憎いじゃありませんか。ましてこれが、人間の出来の良いので、眼のさめるような新造や年増となると、棘を刺しても痛々しいじゃありませんか」

八五郎は委細構わず、その幼稚な人道主義を説くのです。平次にからかわれて、鋭鋒を納めるような、そんなヤワな心臓の持主ではありません。

「何処の新造が棘を刺されたんだ――俺は又同じ棘を刺すんでも、年寄や子供の方が痛々しいと思うがな」

「妙に棘にこだわりましたね、――実は根津宮永町の棟梁で、石井依右衛門というのは親分も御存じでしょう」