Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
二人は一とかたまりになって外へ出ると」
「路地の中は明るいのか――こいつは大事なことだが」
「何しろ年中陽の当らない、ジメジメの路地でしょう。おまけに巴屋の前にはかなりな水溜りがあって、滅多なことでは乾きやしません。そこで路地内の者が相談して、宵の内は路地の入口に灯を出して置きますがね。自身番の親爺が受持で、亥刻過ぎには消してしまいます」
「昨夜は?」
「騒ぎのあった時は、櫓行灯が付いて居ましたよ。少し遠いけれど、灯に透して水溜り位は飛び越せます」
「そこで、その先はどうしたんだ」
暫く灯で停頓した話を、平次はもう一度促しました。
「――飛出して見ると、その水溜りの中に、人間が倒れて居るじゃありませんか。お余野は尻ごみするから、あっしが飛んで行って起してやると、それがお萩で、頭を打ち割られて、全身蘇芳を浴びたようになって居ましたが、もう虫の息もありません。――お余野は肝をつぶして暫くは傍へも寄れなかった程です」
「其辺に誰も居なかったのか?」
「お房が追っかけて、路地へ入って来ましたよ、湯の中で喧嘩はしたが、大した根に持つほどのことで無かったのか、先に飛出したお萩のことが心配になって、そこそこに上って来たんだそうです、それがお萩の血だらけな姿を見て、腰を抜かしたのも無理はありません」