Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
五
お組はこうはっきり言い切るのです。
五
「それに――」
お組は尚おも続けました。
「私は雷鳴が大嫌いで、鳴り出すともう生きた空もありません、家へ帰ると雨戸を締め切って蚊帳を吊って線香を焚いてお念仏ばかり称えて居たんですもの、人なんか殺すどころか、物を言う力もなく弟子達を追っ払って、死んだようになって居ました」
お組はそう言って、自分の雷鳴嫌いを証明してくれる相手を捜すように、そっと四方を見ました。
「気が悪いぜ師匠、誰もお前さんが、お園師匠を殺したとは言やしない」
平次はさり気ない調子でした。
「それで安心しましたよ、嘘だと思うなら、私の家へ行って訊いて見て下さい。あの大夕立の間、私はもう死んだもののようになって寝て居たんですもの」
「お前の家というのは、此処からは遠い筈じゃないか、よく濡れずに駆けて行ったことだな」
「表から廻れば遠いようでも、路地を抜けて、大家さんの家の庇の下を通して貰えば直ぐですよ、ピカリと来て大きいのが鳴ると直ぐ、私はもう喧嘩も何も忘れて帰ったんですもの、家へ飛び込むとすぐ、あの大雨がどっと来ましたよ」
お組の報告は詳し過ぎます。
「ところで、師匠には心当りがあるだろう、お園を怨んで居る者は誰だ」