Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「――」
「自分の匕首を楽屋に忘れて来て、それを皆んなに見せて置き後から行ってその匕首を持出してお園を殺し、夕立に濡れたのを胡魔化すために、夕立が晴れ切らぬうちに、皆んなに見えるようにお園の家を覗いて、大声で騒ぎ出したのは細工が細かいな」
「――」
「お菊を殺すために、手拭を二本用意し、一本をわざと忘れて出たのも巧い手だが、今朝早くお園の家を覗いて、忘れた方の手拭を持出そうとして見付からなかったのは天罰だよ、手拭は入口の沓脱の間に落ちて居て、お前の眼にも見付からなかったのだ――お前の様な悪い奴は無いぞ、なまけ者で小ばくち打で、お園もお組も相手にしないのを怨み、お園を殺して、その疑いをお組に着せる積りで、細々と仕組んだに違いあるまい」
平次の論告は峻烈でした。それを黙って聴くと見せた小三郎は、隙を狙ってサッと塀に飛びつくと、曾てお園やお菊を殺して逃げた時と同じ道順を、舞台の足場に飛付き、猿の如く渡って、隣の路地へポイと飛降り、そのまま逃出そうとしましたが、どっこい、
「野郎、神妙にせい」
其処に待機していた八五郎が、無図と組み付いたのです。
この捕物は少しばかり汗を掻かせましたが、それよりも神田祭の人出が、宏大な野次馬群になって、十重二十重に路地を塞いだのには驚きました。