Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
銭形平次捕物控
【第一回】
一
【第一回】
一
「親分、良い新造が来たでしょう、こう小股の切上った、白色で、ポチャ/\した」
「馬鹿野郎」
銭形平次は思わず一喝を食わせました。上り框から這い込むように、まだ朝の膳も片付かない茶の間を覗きながら八五郎は途方もないことを訊くのです。
「でも、あんな可愛らしいのはちょいと神田中にもありませんよ、あっしが知らない位だから。よっぽど遠くから来たに違えねえと思うんだが――」
「呆れた野郎だ、いきなり人の家へ飛込んで来やがって、お早ようとも言わずに――もっとも凄いか可愛いか知らないが、女が一人来るには来たがね」
「それね、路地を飛出した様子が、ひどくあわてていたから、親分のところへ来て、うんと脅かされたこととは思ったが――」
「待ってくれ、脅かしもどうもしないよ、姫糊を三文ほど買っただけなんだが――ありゃお前、七、八年前に還暦が過ぎた筈だぜ」
「誰です、それは」
「此辺をちょい/\歩く糊売の婆ァだよ」
「嫌になるなァ、あっしの言うのは、十八、九の、ポチャ/\した」
「わかったよ、色白で小股の切上った――というんだろう」
親分、子分の話は、何処まで行っても果てしがありません。