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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「この娘は手摺にもたれて、死んだ倉松と一緒に、ふざけながら花火を見て居たそうです。するとあの騒ぎで、一たん水の中に沈んだのを、近所の涼み船の船頭衆が助けてくれたそうで」

と母親が代って説明するのを、うなずきながら聴いて居るだけでした。

「その時、桟敷の上を、人を掻きわけて、あちこちと歩いて居た者は無かったのか」

平次は問いました。十数ヶ所の縄を切るためには、一ヶ所に留まっては居られないわけです。

「お夏は、お酌をしながら、あちこちと歩いて居ました。それから、直次郎と品吉は、お茶やお菓子やお料理を配って、最初から坐るひまも無かった様です」

「与之助は?」

「それは変りもので、旦那衆のような心持で居たい人です。酒の酌や、御馳走の世話や、お客様への愛想の出来る人ではございません」

「内儀さんは?」

「私はお信の後ろに居りました。その少し後ろに、お絹が居たようで――大きな花火が揚って、皆んな夢中になって上を見あげた時、櫓はメリ込むように水の中へ落ちました」

「お嬢さんの怪我は?」

「怪我というほどのことでは無かったようで、あっと思った時はもう手摺につかまって居て、水には落ちなかったそうです。