Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

「それならわかってますよ」

「どうわかって居るんだ」

「弥八は少し位は溜めて居るし、手代直次郎は、男っ振りが良いから、あちこちでチヤホヤされて借金だらけ、与之助は一番正直そうな顔をして居るが、全く気の知れない人間で、品吉と来たら、日本一の堅造ですよ」

「お前は片付けるのが早い、物事はそう手取早くキメ付けちゃいけないよ、一番太い奴は、一番正直そうな顔をするものだ」

「ヘェ」

「オヤ、誰か来た様子じゃないか、路地の中へ駆け込んで、格子につかまって、フウ/\言って居るが――」

「――」

目配せ一つで、八五郎はバネ仕掛けのように飛上りました。障子をサッと開けると、

「お助け――私、私は、もう」

上り框に奥へのめるように転げ込んだのは、馥郁たる若い娘、それは佐渡屋の掛り人、色白で可愛らしい――その癖、先の日平次の周到な調べに逢っても、少しも冷たさを緩和しなかった、あのお夏の取乱した姿だったのです。

「どうした、佐渡屋に変ったことでもあったのか」

平次も思わず腰を浮かせました。お夏の様子は、それほど突き詰めた、物々しいものだったのです。

「皆んな殺されるかもしれません」

「何?」