Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「酬いはテキメンで、お比奈坊が帰って来て、そりゃ喜んで居ましたよ、私一人では重くてどうにもならないから、兄が帰って来るのを待って、一日も早く湯を使わせてやり度いと思って居ました――と」
「いや、俺からも礼を言うよ。越中屋釜六が、本当の病人でないと、山之助お比奈兄妹は、とんだ濡衣を着なきゃならないんだ――いつか江戸を荒し廻った強賊の「疾風」が、偽の中気病みになって居たことがあるから一応は釜六も疑って見たのさ」
「念の入ったことですね、――でもあの釜六ばかりは、医者に見せるまでもなく、真物のよい/\ですよ、もっとも、何処かで見たことのある顔だとは思ったが、そいつは思い出せません」
記憶の百色箪笥の、何処へしまい忘れたか、八五郎は鼻の穴を仰向にして、大空を嗅ぎ廻すような恰好をするのでした。
「外に気の付いたことは無いのか」
「行水が済んでから、家中を捜して見ましたが、売れ残りの小巾が少しあるだけで、何んにもありやしません」
「刃物は」
「切れそうも無い莱切包丁が一丁あるだけ、そう/\見事な懐中煙草入がありましたよ。叭の中には、国分の上等が少々、多分山之助のものでしょうが、少し贅沢ですね」