Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
精々月に一度か二度」
「間が抜けて挨拶も出来やしない。月に三度も恋患いが出来るかよ、馬鹿々々しい――見ろ、お静はとうとうたまらなくなって、腹を抱えてお勝手口へ飛出したじゃないか」
この掛け合いの馬鹿々々しさは、まさに女房のお静を井戸端まで退散させてしまったのです。
「ところが、その恋の病で、死にかけている人間が、あっしの知っているだけでも、五人はあるんだから大したものでしょう」
八五郎はおめず臆せず話を続けるのです。
「成るほど、世の中は広いな」
「ね、驚くでしょう」
「あとの四人は何処の誰だえ」
「四人じゃ無い五人ですよ」
「そのうちの一人は八五郎だろう」
「冗談じゃありませんよ、あっしなんかの相手になるものですか、高嶺の花で――」
「大層六つかしいことを知って居るんだな」
「これも小唄の文句で」
平次と八五郎の掛け合いは、危うく脱線しそうになりながらも、巧みに筋を通して行くのです。
「ところで、その死にかけて居るのは誰と誰だ、人の命に拘わると聞いちゃ放っても置けまい」
「第一番は和泉屋の倅嘉三郎、――練塀小路の油屋で、名題の青瓢箪」
「第二番は?」
「無宿者、薊の三之助、これはちょいと良い男ですよ、何んだって、あんな野郎がまた、尋常な眼鼻立を持って居るんでしょう」