Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

両刀は鞘に納めたまま、死骸の側にありますが、

「長い方でやられたんですよ、一応拭いて鞘に納めてはあるが――」

町役人の説明です。

「いかに華奢な身体でも、両刀を腰に差して居ちゃ、あの犬潜りの穴は脱けられない、――そこで、腰の両刀を鞘ごと抜いて穴の傍に置き、穴の中へ身体が半分潜って、途中でつかえて前へも後ろへも行かなくなり、声を立てることもならずに、藻掻いて居るところを、後から跟けて来た曲者が、塀の下に置いてある刀を拝借して、力任せに尻から突っ立てた――ということになりましょう」

もう一人の町役人、金沢町の家主で、外神田では顔の通った大川屋五郎兵衛という中老人が、見て居たように説明するのです。

「持ち物は?」

「印籠一つ、紙入一つ、――その紙入の中に、鼻紙に挟んで、これがありましたよ」

五郎兵衛は、懐中から取出して、平次に見せます。手紙一枚を結び文にしたもので、

――こんや、うらぐちの、犬くぐりからおいでをまちあげます――

とたったこれだけ、恐ろしく拙い字で書いてあるではありませんか。

「この手蹟は?」

「――」

平次は四方を眺めました。二人の町役人の外に、主人鹿右衛門、養子与茂吉などが居りますが、誰も応える者はありません。