Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
「あの人は馬鹿正直で、恐ろしく堅いから、私がわけてやっても取りやしませんよ」
「その手紙をお前は一々見ることだろうな」
「見たいことは山々ですよ、――四十にはなっても独り者の女ですもの、でも、口惜しいけれど、私は」
四十女の頬には赤黒い羞恥の色が浮びました。
「字が読めないというのだろう」
「手習いをさせなかった、親が悪いんです」
妙な話になってしまいました。
「ところで、あの納戸へ何んの用事で入ったんだ」
「季節の変り目には、布団を入れ換えなきゃなりません、取込はあったところで、この天気ですもの」
その辺はまことに忠実なものだったのでしょう、平次はその弁解をいい加減に聴いて、納戸の窓から首を出して見ました。
「?」
其処で平次は、思いも寄らぬ発見をしたのです。窓は一間の腰高ですが、格子は無くて二枚の雨戸があり、その一端に逞しい柱があって、柱にはほんの微かながら摺り剥きの傷のあることがわかったのでした。
見下すと、庇のすぐ先は厳重な塀とその上の忍び返しが突っ立ち、忍び返しの外は、細い路地を隔てて、江島屋の持家の、二階建の空家と相対しているのです。
平次はお六を家の者に任せて、お勝手から飛出すと其辺にウロ/\して居る八五郎と、養子の与茂吉を誘って、裏木戸から路地へ出ました。