Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

すっかり顫え上って、床の上に並べた膝小僧までガタガタして居ります。

「何を言うんだ、お前は恋患いだって言うじゃないか、大の男が恋患いで死ぬ気遣えはねえ、それに、夜中にそっと抜け出して、金沢町のあたりをフラ/\歩くことまでわかっているんだ」

「親分、私は――」

嘉三郎はまさに追い詰められた鼠でした。平次は滅多にこんな手は用いないのですが、相手が恋患いの仮病をつかって、容易のことでは落ちそうも無いと見ると、珍らしく十手などを取出して、逆手に畳の上に突っ立てるのです。

「お調べは八丁堀へ行くまでも無く、正直に言いさえすれば、此処でも済むことだ。お艶に付き纏って居るのが五人、それ/″\どんな事をして張合って居るか、それから聴かして貰おうじゃないか」

「申上げます、親分、――私共は何時の間にやら敵同士になって、お互に爪を磨いで居りました。此間殺された薊の三之助は、男がよくて、気がきいて、調子が派手で一番女に持てました。その上地本問屋の知合があるとかで、お艶さんの姿を一枚絵にして貰って恩を売り、それを種に一番よく取入って居りました」「――」

平次は黙って次を促しました。