Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
「マア、そうとしか考えられません」
青山が答える。
「黄金仮面ともあろうものが」明智は皮肉な調子で始めた。
「そんな馬鹿げた真似をするでしょうか。目的も達しない先に、青山君に一目で分る自分の姿を見せて、いきなり逃出すというのは、何だか変ではありませんか。彼はただ逃げ出す為に、苦心をしてこの部屋へ忍び込む様な愚かものでしょうか」
「併し、不思議と云えば、もっと不思議なことがあります。賊はこの全く入口のない部屋へ、どうして忍び込むことが出来たのでしょう」
大鳥氏は名探偵の顔色を読む様にして云った。
「たった一つの解釈があります。それは、賊は一度もこの部屋へ忍び込みはしなかったと考えるのです」
明智が実に突飛なことを云い出した。
「忍び込まなかったものが、どうして逃出したのです」
正直者の青山は、びっくりして、分り切ったことを尋ねた。
「忍び込まなかったものは、逃出すことは出来ません」明智は謎の様に答えた。「ところで、その時部屋の中には、お嬢さんの外に誰もいなかったのでしょうか」
「ここにいるお豊という女が、見張り役を勤めていたのです」大鳥氏が答える。
「で、何も見なかったのですか」