Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
恐ろしき喜劇
その外は会場の大道路だ。今日は貴賓御警衛の為に、大道路には数名の巡査の姿が見える。
「オーイ、今その柵を越した奴はないか」
一人の警官が怒鳴ると、左右の大道路に立番をしていた巡査が一斉にこちらを向いて、口々にそんな奴は見なかったと答えた。
人々はお互に顔を見合せて立ちすくんでしまった。逃道はないのに、賊の姿が消えたのだ。
「オイ、この正面の建物は何だ」
重だった一人が尋ねると、看守監督の男が答えた。
「演芸館の裏口です。ここから向うが余興場になっているのです」
「開演中かね」
「エエ、ホラ囃しの音が聞えるでしょう」
「まさか、奴、開演中の群集の真唯中へ飛び込んだのじゃあるまいね。いくら何でも、そんな無茶はしまいね」
「だが、左右の道路へ逃げなかったとすれば、いくら無茶でも、奴はここへ飛込んだと考える外はない。蒸発してしまったんでなけりゃね」
「兎も角検べて見よう」
一同は演芸館の裏口から、ドヤドヤと這入って行った。
恐ろしき喜劇
お話変って、その時演芸場の舞台では、喜劇「黄金仮面」の第一幕目が終った所であった。何も知らぬ数千の見物達は、舞台上の偽の怪人「黄金仮面」