Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
アトリエの銃声
アトリエの銃声
「オイ、絹枝、どうしたのだ。しっかりなさい」
賊が彼女の肩を揺り動かしながら、太い声で云った。イヤ、賊ではない、聞覚えのある声だ。変だな。と考えるまでもなく、絹枝さんは嬉しさに、ガバと毛布をはねのけて、その人に――父雲山氏の身体に、すがりついた。
老美術家は、夜汽車で帰って、今邸についた所なのだ。
父の広い肩越しに、ソッと例のカーテンを見やると、……やっぱりいる、金ピカの怪物が、細い目でじっとこちらを睨んでいる。
「お父さま、あれ! あれ!」
彼女は脅え切って、父の身体にすがりついたまま、目でそれを指し示しながら、幽かに囁いた。
云われて、その方を振返った雲山氏も、流石にギョッとしないではいられなかった。思わず身構えをして、怪物を睨みつけた。
だが、何という図々しさ! 黄金仮面はまるで人形の様に無感覚に、じっとこちらを見つめたままだ。例の三日月型の唇に、異様な微笑をたたえながら。
「ハハハ……」
突然、老美術家の口から、突拍子もない哄笑がほとばしった。
「ハハハ……、絹枝、何を怖がっているのだ。ごらん誰もいやしない。ホラ、金のお面とマントが、カーテンに引掛けてあるばかりだ」