Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
悪魔の妖術
さっき不二子さんが紅茶の中へ入れたのは、眠り薬だったに違いない。そうでなくて、忠義無二の乳母が居眠りなんかする筈はないのだ。
それにしても、不二子さんは、一体全体何の為に、こんな馬鹿馬鹿しい真似をしたのであろう。部屋の中にいるお豊丈けを眠らせて見た所で、ドアには鍵がかかっているし、外の廊下には柔道自慢の青山が頑張っているではないか。いや、それ丈けではない。不二子さんがこの部屋を抜け出す為には、玄関なり勝手口なりに達するまで、幾つとなく部屋や廊下を通り過ぎねばならぬ。至る所に厳重な関所があるのだ。一人の乳母が眠った所で、何の甲斐もないことは分り切っている。
だが、読者諸君、それだからと云って、安心をしてはならぬ。不二子さんには、黄金仮面という恐ろしいうしろ楯がついているのだ。魔術師の様な怪物のことだ。何を考え出すか知れたものではない。何かしら不思議なトリックによって、全く不可能に見えることが、為しとげられるのかも知れない。そうでなくて、不二子さんが、こうまで彼が救い出しに来ることを、信じ切っている訳がないのだ。
悪魔の妖術
それから半時間程たって、外の廊下に怠らず見張り番を勤めていた書生の青山は、例のドアが内部からコツコツノックされているのに気づいた。