Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
「赤き死の仮面」
年配は三十五六に見えたが、給仕の癖に立派やかな口髭を貯え、気取った縁なしの近眼鏡をかけているのだ。
警部は予め給仕人等の身元をも充分取調べ、別段疑わしいものもないことは確めてあったので、まさかこの髭の給仕が黄金仮面の変装姿だとは思わぬが、それにしても、何となく気掛りな人物である。
彼は絶え間なく給仕の挙動を注意していた。給仕の方でも警部の存在を、頭の隅でいつも意識している様に見えた。
だが、これという程の出来事もなく、やがて晩餐は無事に終った。そして、奇抜な仮面舞踏会が始まった。
「赤き死の仮面」
F国大使ルージェール伯爵が、豊かな趣味情操の持主であることは、彼が着任以来、古社寺、博物館は勿論、一私人の邸宅にまで出向いて、古美術を観賞するに、日も足らぬ有様であった一事を以てしても、充分察し得るのだが、伯爵の趣味は、何も古美術品に限られていた訳ではない。彼は素人歴史家であると同時に、素人文学者でもあった。
自然、彼の一挙一動には、普通外交官の思いも及ばぬ、機智と情味が伴った。レセプションなどの場合にも、屡々賓客をアッと云わせる様な、奇抜な趣向が考案された。