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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

明智は云ったかと思うと、人々の驚くのも構わず、ツカツカと令嬢の寝室へ這入って行って、ベッドの向側へ廻ると、不躾にも、不二子さんの寝顔を覗き込んだ。

「ハハハハハハハ、素敵素敵、僕達はお嬢さんの為に、まんまと一杯かつがれたのですよ。賊は決して忍び込みも、又逃出しもしなかったのです」

明智は気でも違ったのか、若い女の寝室へ這入るさえあるに、その枕元でゲラゲラ笑い出したではないか。しかも、彼の云うことは、何が何だか、まるで意味を為さぬのだ。

「不二子が、どうかしたのですか」

大鳥氏は心配に青ざめて、寝室へ這入って来る。

「どうもしやしません。ホラ、ごらんなさい。これです」

云ったかと思うと、明智はいきなり、不二子さんの頭を、シーツの中から引ずり出した。

「ア、君は、何をするんだ」

大鳥氏がびっくりして怒鳴るのと、不二子さんの頭が、コロリとベッドの下へ転がるのと同時だった。

「ワッ」

という叫声。何かしら途方もないことが起ったのを知った一同は、我先にと寝室へ駈け込んだ。

青山が不二子さんの首を拾い上げた。

「ナアンだ。こんなものですよ」

彼が手に持っているのは、人々の想像した様な、血みどろの人間の首ではなくて、柔い枕を丸めて、それに深々と黒いナイトキャップを冠せた、不二子さんの頭の贋物に過ぎなかった。