Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
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それは、彼の外にも、同じ様に、食卓の人々をジロジロと眺めている一人物があったことだ。
その席には、美しい制服をつけた、日本人の給仕達が、作法正しく立働いていたが、その中に一人丈け、無作法にも食事中の賓客の顔をジロジロ眺めている奴がある。しかもそれは、無心に眺め廻すのではなく、ある特定の人物を、細くした目の隅から、さも意味ありげに執念深く観察しているのだ。
特定の人物というのは、第一が主人役のルージェール伯爵だ。伯爵をチラッチラッと盗み見る、其の給仕人の目つきには、何かしら敵意に似たものが感じられた。
二番目には、警視総監だ。余りジロジロ見ているものだから、総監の方でも感づいて、二三度不思議な給仕人を見返したが、給仕人はその都度、ハッと目をあらぬ方に転じて、そしらぬ振りを装うのだ。
給仕人が盗み見る人物は、食卓のまわり丈けではなかった。彼の目は食卓を離れて、部屋の隅に佇んでいる、第三番目の人物にも、屡々注がれた。その第三番目の人物というのは、外でもない、花瓶の蔭の波越警部その人である。
その給仕人は、挙動がいぶかしいばかりでなく、風采も非常に変っていた。