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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

せめて、探照燈係りに化けた賊の顔を見覚えているものはないかと探したが、塔上の小暗い部屋ではあったし、あとで考えて見れば、怪物は制帽をまぶかにして、胡散らしくうつむき勝ちにしていたから、それに、まさかそいつが賊だとは誰一人疑っても見なかったので、殊更ら注意して顔を眺めた者もなく、ただ非常に背の高い発音の曖昧な男という外には、何の記憶も残っていなかった。

「道理で変でしたよ。僕が建築事務所へ行った時に、まだ誰も知らせに来たものはないといって、皆、変な顔をしていました」

二度目に仕事師を呼びに走った巡査が云った。探照燈係りに化けた賊は、無論、事務所などへ立寄りはしなかったのだ。

翌朝の各新聞は、地方新聞に至るまで、全国的に、すばらしい大見出しで、上野博覧会に於ける前代未聞の大活劇を、詳細に報道した。少々ボンヤリしていたが、粂さんが足場から尖塔へと這い上っている写真などは、新聞効果所謂百パーセント。天下の読者をヤンヤと云わせた。

だが、少くも東京市民は、その記事を、単なる興味を以て読過する訳には行かなかった。今までは新時代の怪談に過ぎなかった黄金仮面が、遂に姿を現わし、場所もあろうに、博覧会の大群集の面前で、不気味にもずば抜けた離れ業をやってのけたのだ。