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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

こうすれば呼吸の出来ぬ苦しさに、難なく浮上って来ると思ったのだ。

だが、アア、何という犯罪者の恐怖心であろう。十秒、二十秒、遂に一分間を超えても、小雪は浮上って来なかった。呼吸をピッタリ止められた、水底での戦慄すべき闘い。彼女は海女の様に息をしないで、まだあきらめ切れぬ生への執着に、じっと水底にへばりついているのだ。

「よし給え。可哀相だ」

余りの悲惨に耐え兼ねた波越警部が叫んだ。

流石の野蛮刑事も、もう手を離したがっていたのだ。彼は警部の言葉をよいしおに、哀れな娘の呼吸を自由にしてやった。

だが、それが丁度、水底の小雪の忍耐力の最大限でもあった。刑事が手を離すと、殆ど同時に、サンバラ髪の少女が、水草の間からポッカリと浮上って来た。

半ば失神した少女犯人は、即座に舟の上に引上げられた。

「アア、もう我慢が出来ない、早く、早く、殺して下さい」

胴の間に横えられた彼女は、手足をもがいて、譫言の様にわめき続けていたが、遂に力尽きたか、グッタリと静まってしまった。

「君、僕の云うことが間違っていたら、訂正するんだよ。いいかね」

明智は少女の意識が恢復するのを待って、惶しい舟の上の訊問を始めた。