Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
名探偵の腹痛
併し、その時は生死の境だ。警察のお歴々も、我を忘れて舷にしがみつき、遙かの岸をうらめしく眺めながら、救いの舟もがなと、声を揃えて悲しげに喚いたものである。だが、やがて、
「オオ、舟だ。救いの舟だ」
誰かの叫声に、振向くと、侯爵邸の方角から、エンジンの響も高く近づいて来る一艘の小舟。
近づくに従って、その舟には、あとに残して来た警官達が乗っていることが分った。彼等は別の漁船を探し出して、怪賊追撃の第二隊を編成し、応援にやって来たものに相違ない。
結局、一同は少し冷い思いをした丈けで、別状もなくその舟に救い上げられた。小雪の死体も流れ去る暇はなかった。
賊はと見ると、騒ぎの間に、モーターボートを湖水の東岸に乗り捨てて、已に上陸してしまった。云うまでもなく、警官隊はその地点を目ざして進んだ。明智を初め五人の者は濡れ鼠だが、そんなことは構っていられぬ。息を吐く隙もなく、追撃又追撃、恨み重なる怪賊を、逮捕しないでは、一分が立たぬ。
瞬く内に岸に乗りつけた一同は、先を争って上陸する。
「オヤ、何だか紙切れに書いてあるぜ。あいつが我々に読ませる為に残して行ったのかも知れない」