Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
とうたわれているのだが、その不二子さんが、執事の言葉を借りると、実に言語道断の所業を始めたのである。
事の起りは今から一週間程前の夜、いつもお母さまの許しを得、行先を告げて外出する不二子さんが、どうしたことか、日暮にふと居なくなったまま、十二時過ぎまで帰らなかった。しかも帰って来ると、誰にも顔を合わさず、ソッと寝室へ這入った様子が、どうもただ事でない。
無論翌日、お母さまからそれとなく尋ねて見たが、ハッキリした返事も出来ない始末だ。
引続いて、そんなことが毎晩の様に起るので、とうとうお父さまのお耳にも入った、捨てては置けぬと、折檻せぬばかりに聞き訊すのだが、不二子さんは強情に白状しない。で、最後の手段として、執事の尾形老人が、尾行を命ぜられた。
初めの晩は、不二子さんの行動が実に千変万化を極め、自動車を飛び下りたかと思うと、複雑な露地をグルグル廻って、飛んでもない場所から、又自動車に乗り換えるといった調子で、とうとう中途で見失ってしまったが、次の晩(と云うのは昨夜のことだが)は、今度こそと意気込んだ甲斐あって、おしまいまで尾行を続けることが出来た。