Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
慌てるには及びません。まず夏侯覇にお命じあって、五丈原の敵陣をうかがわせては如何ですか」
これは息子たちの云い分のほうが正しいように諸将にも聞えた。息子自慢の司馬懿は、息子たちにやり込められると、むしろうれしいような顔つきをした。
「む、む。……なるほど。それも大きにそうだ。では夏侯覇、敵にさとられぬように、そっと蜀軍の空気を見さだめて来い」
夏侯覇は、命を奉じて、わずか二十騎ほどを連れ、繚乱の秋暗く更けた曠野の白露を蹴って探りに行った。
蜀陣の外廓線は、魏延の守るところであったが、ここの先鋒部隊では、魏延を始めまだ誰も孔明の死を知っていなかった。
ただ魏延はゆうべ変な夢を見たので、今日は妙にそれが気になっていた。けれどちょうど午頃ぶらりと訪ねてきた友達の行軍司馬趙直が、
「それは吉夢じゃないか。気にするに当らんどころか、祝ってもいいさ」
と云ってくれたので、大いに気をよくしていた所である。
彼が見た夢というのは、自分の頭に角が生えたという奇夢であった。
それを趙直に話したところ、趙直は非常に明快に夢占を解いてくれた。
「麒麟の頭にも角がある。蒼龍の頭にも角はある。