Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
と、告げた。聞くと、愕然、
「……なに、司馬懿を」
孔明は首を垂れて、その酔色すらいちどに褪せてしまった。そばに在った参軍の馬謖が、
「丞相、いかがなさいました。何をそんなにお驚き遊ばすのですか。多寡が、司馬懿ごときに」
と、むしろ怪しむかのようにたずねた。
「いや、そうでない」と、孔明は重くかぶりを振って反対に諭した。
「わが観るところでは、魏で人物らしい者は、司馬懿一人といってもよい。孔明のひそかに怖るる者も実にその司馬懿仲達一箇にあった。……いま孟達の内応をよろこび合っていたところだが、それすら悪くすると、司馬懿のために覆されるかもしれん。……実に悪い折に悪い者が魏に立った」
「では、急使を立てて、孟達にその旨を、心づけてやっては如何です」
「もとよりそれを急がねばなるまい。すぐ早馬の支度を命じ、使いの者を選んでおけ」
と、孔明は、席を中座して孟達へ与える書簡をしたためた。急使は、その夜すぐ立って、孟達のいる新城へいそいだ。孔明からの手紙と聞き、孟達は、さては李厳が自分の意を伝えてくれたなと、喜色満面にこれをひらいてみると、その事は許容されてあったが、終りの章に、すこし気にくわない辞句があった。