Japanische Klassiker mit Furigana
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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
Lesen Sie 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.308 Zeichen · 347 Bildschirme
従っていわゆる公私共定の山野において平穏に串を刺すのは決して罪ではない。中世荘園新立の場合に、四至を定め地方官立会の上榜示を打ったのは、すなわち右の平穏な占有の形式で、榜示はとりもなおさず大なる串であり矢である。ただ神事・政事の次第に分離するに及んで、一方は法律上の方式となり、他の一方は信仰上の習慣となったのに他ならぬ。
『伯耆志』によれば、同国西伯郡日吉津村大字日吉津の伊勢大神宮に蔵する寛文八年の証文には「大神宮注連の内開高五石一斗これある処存知届け候、相違なく神納あるべき者なり」と見える。この注連の内は社地ではなくして神領である。すなわち昔のいわゆる標野である。『雲陽志』佐陀大社の記事に「昔は神領七千石あり、秀吉の時この神領を没収し二百十四人の神職七十五人となり堀尾氏の時また減じたり。しかれども今に至るまで毎年四月十月の両度、昔の神領七千石の地の四辺に榜示の幣を挿す。これを柴刺の神事と称す云々」とある。右の柴刺は平穏な串刺の遺習で、もし串はすなわち矢であること卑見のごとしとすれば、国邑の境に矢立の地名があることは由来久しいものと言ってよろしい。