Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

と、小舟の上で、しゃべりながら、どんと舳を寄せて来たのは、これも今では、四十男の分別ざかりとなりながら、今もって、いや愈もって、自分を悪党の一人前に仕立てすました阿能十こと、阿能十蔵であった。

「あら、だめよ。もっと、舟のゆれないように、抑えていてくれなくッちゃ」

お燕は、岸から覗いて、ためらった。――すると、まだ苫の下に潜りこんでいた他の浪人者二人が、げらげら笑って、

「黒衣を着こめば、おれ達悪党も、三舎を避けるお燕ちゃんだが、女に返ると、やっぱり女だから妙なものだ。お燕ちゃん、下手に跳ぶと、お小姓袴の下から、水神様が拝めるぞ」

「いやだあ」

お燕は、侠な声を出して、母の肩につかまり、一緒になって笑いこけた。

しかし、刻々に、空は白み、朝は賑わい立ってくる。

小舟は程なく彼女たちを苫の下にかくして、矢のように、三叉の洲から、大川へ漕ぎ出て行った。

櫓を把っている阿能十のほか、苫の下に、なお二人の男がいた。大亀と、赤螺三平だ。

いうまでもなく、堀留の山善へはいった五人組は、この顔ぶれだ。往来の不良児や御家人ごろの単なる放埒者の群れは、当然な麻痺や自暴自棄をかさねて、今や純然たる強賊化していた。