Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

どの顔も、年をとったというよりは、強悪な仮面を貼りつけたように人相まで変っていた。

しかし、悪と悪とは、その犯す罪の大きく数を重ねている仲間ほど、仲間内だけでは、骨肉みたいに仲がよかった。一家族のように他愛がなかった。

「お燕ちゃん。おめえは一体、みんなが約束した手筈を、よく呑みこんでいなかったのかい。ひどい心配をかけるじゃねえか」

舟は、大川を溯っていた。

もう大丈夫と、落着くと、三平も大亀も、お燕にむかって、しきりに質した。

――というのは、ゆうべ、かれらの目的をとげて、いざ、引き揚げとなって、堀留川へ繋いでおいたこの小舟のうちへ、一斉に逃げ降りてみると、お燕ひとりが、見えないのだった。

(あの娘がいない?)と知ると、いちど舟まで逃げたお袖は、また、あとへ引っ返し、もう警板が鳴り、非常太鼓の聞える町を、身の危うさもわすれて、探しあるいた。

北の同心や捕手にその姿を見つけられ――お袖は、子を探しつつ、追いつめられた。そして、江戸橋詰で、縄を打たれたのであった。

「まさか、自身番の中に、お燕がいようとは、わたしだって、夢にも思えないだろうじゃないか。だから、何が何だか、夢中で逃げて来たけれど……。