Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
権力と悪政の法規のまえに、いかんともし難い屈辱と隠忍を強いられていた庶民は“お犬様”の暴力にたいし、若衆が毅然たる正当防衛を示したので、おもわず溜飲をさげ、またうれしさの余りというような狂喜の態を発したのだった。
老中の息子と、その家来たちは、血相を変えて、小屋の内から出て来た。さきの若衆はそのときまだ悠然と去りもやらずにいた。木戸番は責任上、すぐすッ飛んで行って町役人をよんできた。もちろんこんな盛り場にも、お犬目付は随所にいる。――御法規をおそれぬ不埒な奴、しかも御老中の飼育あそばすお犬様を足蹴になどいたすからには、前例にてらしても、死罪獄門は知れたこと、縛め捕れという大騒動とはなった。
しかもなお、若衆は沈着を極めていた。役人捕手が取り囲んだ。が、風采を見て、犬目付が何かふた言三言、訊問した。と思うと、役人たちがみな犬の如く初めの気勢を失ってしまい、老中の息子等と共に、こそこそ協議の上、何事もなく退散してしまった。
その事があって以来、若衆の素性は、この界隈でかくれないものとなった。紀州大納言頼宣の孫、貞光の第三男、まだ一介の部屋住みだが、越前丹生の地に三万石を領して、近年、将軍綱吉に謁見し、その人もなげな天性を愛顧されて、幼名源六を新之助と改め、加冠して、従四位下に叙され、左近衛少将に任ぜられたという